セブ島旅行してみたい!フィリピンに住んでみたい!

フィリピン、セブ島への旅行を考えている人と、移住を考えている人+英語留学を考えている人のための情報ブログ。

【セブ島治安】あなたは大丈夫⁉ セブ島の治安対策2019 後編

みなさん、こんにちは。

火災で焼け落ちたアヤラモールの行く末を案じているDAIです。

前回の記事には沢山のアクセスをいただき、改めて皆さんの関心の高さを思い知りました。

ceburyoko.hatenablog.com

そちらの方もまた情報が入れば、お伝えしていきます。

 さて、来比後わずか4日で私DAIを襲った悲劇について、 書き進めますね。

ceburyoko.hatenablog.com

の続きです。

平和ボケ

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大家さんから家賃の一部支払いを迫られ、両替のため、ちょっと慌ててアヤラモール、そうです、先日火災で焼けちゃったあそこへと、あろうことかジプニーで向かったDAIでしたが、その車内で、とんでもない目に遭いました。

しばらくジープに乗っていましたが、なかなかアヤラに着かず、運転手さんにアヤラはどこかと聞くと、とっくに過ぎていると言われ、現在地はどこか?と確認しようとカバンの中からiPad miniを出そうとすると...

はい、中身はスッカラカン…

と、いうところまで前回書きましたね。

何が起きたのか理解するのにちょっと時間が掛かりました。

なにせ、世界一治安の良い国で生まれ育ったためすっかり平和ボケしてしまっているDAI、日本でも、また海外旅行でもこの時までスリなんぞに出くわした事はありませんでした。

いや、思い出せば一度だけ地元の公園で置き引きに遭った事がありました。
その時は財布の中身は1500円位で、カード類をすぐに止めて再発行する手続きが少々面倒だった位で、自分への薬になっていなかったのです。

パニック

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どうしていいのか分からず、運転手さんに「HELP ME!」「No more Ayala!」「ポリスステーション!ポリス!」と叫びました。
今から考えると本当に稚拙で笑えますよね、この時の僕。

頭の中は、『お金がなくなった』『iPad miniもなくなった』『家にもお金はほとんど残っていない』『お金をおろすためのカードもなくなった』『明日からどうなる?』という具合に、渦巻く不安。

この時の計画としては、日本円を1カ月分の生活費程度だけ持ってきており、それがなくなったらクレジットカードのキャッシングを使って、日本の銀行からちょこちょこおろして生活…と考えていました、それが出来なくなったわけです。

これが日本であれば、お金は親や友だちから借りれますし、カードがなくても銀行へ行けばお金おろせます、カード類もすぐに再発行でき、たいして困りません。

ところがどっこい、家族から離れて異国の地、フィリピン・セブに来てわずか4日目、右も左も分からない、まだ親しい友達もいない、ろくに言葉も通じない状態で無一文に近い状態になったわけです。

これはひょっとして人生最大のピンチ⁉

さぁ、どうすればいいのでしょうか。

 盗っ人の哀れみ⁉

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当時所持していたのはこんな感じの携帯電話

じつはこの時、僕が持っていた携帯はNokiaの一番安いモデル(1500ペソで買った)、日本で言うガラケーよりももっと原始的なものでした。
しょぼ過ぎたのが良かったのか、それとも盗っ人のわずかながらの哀れみでしょうか?
奇跡的に携帯電話だけは盗られていませんでした。

ジープは終点近くだったようで、運転手さんに、ポリスポリス言うと、他のお客さんを全員降ろした後、何か小さな建物の前で止めてくれました。

一応運転手さんと携帯の番号を交換し、ジープを降りました。

思わぬ親切に救われる

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さて、入った建物、交番所かと思ったのですが、ちょっと雰囲気が違います。

たどたどしい英語で状況を説明します。

すると係の人は、「なんかコリアンスチューデントが来ているぞ!」みたいなことを言い合っています...

その時は僕の事を言っていると気付きませんでしたが、セブにしばらく住むとしょっちゅう韓国人と間違われるので、僕の事を言っていたんだと後で気付きました(にしてもスチューデントってほど若くもないんですが)。

そして、「ここは警察署ではありません」と言われました。

ガーン!

運転手さんは警察の前で降ろしてくれたと思ったのに...

またショックでしたが、なんと、ここの人が警察署まで送ってくれると言います。

後で知ったのですが、運転手さんが降ろしてくれたここは、バランガイホールと言って、日本で言う自治会館のような場所でした。

警察へ行けば何とかなる! のでしょうか?

分かりませんでしたが、とりあえずそれしかありません。
バランガイホールの親切なおっちゃんが、結構な距離を、公用車で送ってくれました。
後でわかったのですが、その時僕はアヤラを大幅に行き過ぎており、バニラッドというところまで行っていたのです。
おっちゃんが連れて行ってくれたのはそこから4.3kmも離れた、アヤラの近くにある警察署。


日本人的感覚からすると、公用車のガソリンとお役人さんの貴重な時間・労力を使ってわざわざ送ってもらい、お金も払えず、ありがたさと恐縮とみじめさの入り混じった気持ちでした。

車の中で、そのおっちゃんは、
「ダメだよ、そんなカバンじゃぁ。ちゃんとウエストポーチみたいなのを腰に巻かないと。」
と忠告してくれました。

警察署に着くと、その中のスリや泥棒を担当する部署の部屋に連れて行かれました。

そこには、街で見かけるようなバスケットボールのランニングシャツに半パンという、とても警官に見えないヨタヨタの身なりの人ばかり。
私服警官ということですが、日本の私服警官とは随分雰囲気が違います。

バランガイホールのおっちゃんには丁重に御礼を言って、ここからは自分でするので大丈夫です、と、帰ってもらいました。

 警察署に到着し一安心、ではなかった...

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さて、警察の人の英語はすごくなまっていて何を言っているのかあまり分かりませんし、当時は僕の英語もたどたどしく、何を言えば良いのかも分かりません。

とにかく身振り手振りで全部盗られてしまった事を説明したのですが、
パスポートを持っていないと被害届を提出出来ない
という意味の事を言っています。

そうなのかぁ。パスポートがないとダメなのかあ。

取りに帰ります、と言って部屋を出たものの、今自分がどこに居るのか、家までどうやって帰るのか、頼みのiPad miniももう使えず、分かりません。
何かジープやタクシーに乗るにしても、お金もなく、お手上げです。

 途方に暮れたDAIをフィリピン人の温かさが救う

当時私は、ボランティア活動のためにフィリピンに来ていました。
経緯については、こちらの記事をご参照下さい↓ 

ceburyoko.hatenablog.com

 ふと、携帯電話に、ボランティア仲間のひとりのフィリピン人の連絡先がある事を思い出します。

彼の名は、ヴァン(仮名)。
僕より少し年上、フィリピン人にしては珍しく独身の中年男性です。

たどたどしい英語でテキスト(携帯メール)を打ちました。

するとすぐに、「DAI,今どこだ?」

と返って来て、どこか分かりませんでしたが、入口に書いてある警察署の名前を入れて返しました。

それから10分と経たないうちです、彼がバイクで飛んできてくれたのは。

彼の愛車、ホンダWAVE110の後ろに乗せてもらって家にパスポートと、わずかに残った日本円を取りに帰る事が出来、両替屋に寄ってもらい、そして警察署へと戻ってきました。

この時もし携帯もなかったら、あるいはヴァンが来てくれなかったら...どうなっていたか分かりません。

全く気付かなかった

それにしても本当に手品です。
いつ盗られたのか全く気付きませんでした。

警察の人によると、犯人は恐らく複数犯で、向かいに座っていた男がコインをバラ撒いて僕の気を引いている隙に、僕の右か左隣に座っていた者が、僕の膝の上に置いていたショルダーバッグに手を突っ込んで盗って行ったんだろう、よくある手口だ、と言われました。

パソコンの前に連れて行かれ、前科者の写真をいっぱい見せられて(どれもこれも悪そうな顔だった)、「この男か?」「これか?」と聞かれましたが、そもそもいつ盗られたのか気付いていないのに、覚えているわけありません。

セブで盗難の被害に遭った時の手順

さてここで、セブで盗難の被害に遭った場合の手順を、まとめておきます。

  • まず、被害に気付いたら、その場所と時間を克明に覚えておく。
  • 警察に被害届を出す。そうしないと、海外旅行保険が適用されない場合がある。
  • 身分証を持って警察へ行く。私は上記のアヤラ近くへ行きましたが、他の警察署でももちろん良い。
  • 市役所で被害届を出すための費用を払うよう言われるので、港の近くの市役所へ行く(場所は下記参照)。
  • 市役所へ行き、被害届の費用を払い、書類をもらって再び警察署へ。
  • 被害届は作成に数日かかるので、後日また警察署へ行って被害届をもらう。
  • ただし、旅行者の場合後日発行だと帰国に間に合わない場合があるので、その場合はその旨相談し即日発行してもらえないか頼んでみること。
  • 日本の保険会社にも連絡しておく。

なお、私の場合は上記手順でしたが、先に市役所で費用を払い、書類をもらってから警察署へ行った方が二度足にならず、早いようです。

市役所の場所↓ 

ヴァンさんは、警察署での対応中ずっと付き添ってくれ、翌日市役所へもまた愛車のWAVEで連れて行ってくれました。
ヴァンさんに対しても申し訳なく思い、「I'm sorry」と言った時に、彼の言ったひとことが、いまだに忘れられません。

「謝らなくていい。困った時は助け合う、それが俺たちのルールだ。

カッコ良すぎではありませんか!

英語がよく分からなくても、彼の言っている事はハッキリと分かりました。

幸い、他のボランティア仲間の日本人の方が、親切に当面の生活費を貸して下さり、どうにかなりました。

我慢の日々

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とはいえ、次回の帰国までの約40日間、ひとから借りたお金で生活するというのは大変にひもじく、無駄遣いをしないよう一日分のお金を封筒に入れてチビチビと使いました。
引っ越したばかりで物入りな時期でしたが、必要なものを買わず、我慢の日々を過ごしたのです。

教訓と対策

さて、これからフィリピンへ旅行・移住される方のために、学んだ教訓や改めた事は以下です。
もっとも、当たり前の事ばかりですが。

  • 海外での旅行・生活中は他に頼る人がおらず、自分で全責任を負うつもりで慎重に行動する。
  • お金は盗られないように気を付けるのはもちろん、盗られた時の事も考えて対策する。
  • お金を何か所かに分けて保管する(分けすぎてどこにしまったか分からないならないよう注意)。
  • クレジットカードを最低2枚以上持参し、バラバラに保管しておく。
  • 大金を持ち歩かない。両替等で大金を持っていく場合は財布に全部入れず、財布+ケースに入れて胸元にしまう、等分ける
  • 大金を持っている時はジプニーは使わずタクシーで移動する。
  • リュックは赤ちゃんを抱く時のように前に抱き抱え、人の多い所ではむやみに開けない。

辛い経験から得た、かけがえのないもの

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スリに遭ってからしばらく、人間不信に陥り、街ですれ違うフィリピン人が皆悪人に見えました(ごめんなさい)。

40日経過後、一時帰国した時に保険請求し、現金以外の、iPad mini、運転免許証再発行手数料、財布代等はお金で戻ってきました。

苦い経験でしたが、私よりもっと多額の被害に遭っている方の話もよく聞きますので、盗難のせいで注意深くなることができ、フィリピンの人々の温かさと多大な親切にも触れる事が出来、貴重な経験とプラス思考で考えられるようになったのです。

ジプニーの運転手さんは心配して次の日電話をかけてきてくれました。

また、ヴァンとも、一気に距離が縮まり兄貴のような存在になったのです。
その後の数年間、いつも彼の愛車ホンダWAVE110の後ろに乗せてもらってセブシティ中をあちこちと連れて行ってもらうことになります。

日本人の方に借りたお金も、一時帰国後すぐ、御礼のお土産とともにお返し出来ましたし、バニラッドのバランガイホールにも訪問し、きちんと御礼をすることが出来ました。

あれ以来4年の歳月が流れましたが、おかげさまで犯罪の被害には遭っていません。

最初はきっと旅行者っぽいニオイをぷんぷん出していたと思いますが、それがこの地に馴染むにつれて、なくなり自然に行動出来ているのが大きいと感じます。

ただし、あの苦い経験と、皆さんから受けた親切を忘れず、自分が用心深く気を付けると同時に、セブに来られる方に注意を呼び掛けて行きたい、と思います。

その他の被害例

セブ島の治安はまずまず良く、日本人がらみで強盗や殺人事件というのは聞きませんが(マニラではあるようです)、スリ・置き引き・泥棒に関してはいまだに多いようです。

以下のような事例があります。

ある韓国人は、一眼レフのカメラをケースに入れてコロンストリートを歩いており、さぁ写真を撮ろうかとカメラケースを開けると、何も入っていなかったそうです。

また、知り合いの年配の日本人は、私と同じようにジプニーの中でスリの被害に遭いました。
その人の場合は、車内はそんなに混雑していなかったそうなのですが、他のお客さんからフレンドリーに話しかけてこられ、フィリピン人との会話に夢中になっているうちに、ヤラレたそうで、やはり手品のようでいつ盗られたのか全く気付かなかったそうです。

スーパーで買い物中に、カゴに入れていたカバンから財布やiPadを盗られた人もいます。

また、私の友人は、自宅の窓のそばにデジカメとノートPCを置いていたら、在宅中にも関わらずカギを壊され窓を開けられて盗られてしまいました。

セブに来られる方は、びくびくする必要はありませんが、気を緩めない事、そして、万一何かあってもカバーできるよう、海外旅行保険には必ず入り、お金やカードを分けて管理するなど、対策されて下さい。