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フィリピンで運転してみたい?④番外編:免許の手続きから読み解く日比GDPの差

みなさんこんにちは、フィリピンの免許に無事に切替えが済んだばかりの、DAIです。

免許シリーズの最終章は、番外編として免許の手続きにかかる時間について考察します。

そしてその長大な時間は、実はフィリピンのGDPを押し下げる原因になっているのでした...。

免許取得のプロセスにおける数々の無駄

私の免許の手続きですが、おさらいしてみますと次のような流れでした。

  1. 領事館にて免許の翻訳証明を取得(申請の翌々日に交付)
  2. ドラッグテスト
  3. LTOにて普通運転免許を現地免許に切替え
  4. ドラッグテスト
  5. LTOにて二輪免許を追加

既に分かるように、無駄なプロセスが含まれています。

無駄1:領事館にて免許の翻訳証明を即日もらえない

ここは日本サイドですが…
翻訳と言っても1枚1枚手作業で翻訳するわけでなく、既定の書式があり、免許をコピーしたものに領事の印を押すだけです。
審査に時間が掛かるとしても、オンラインシステムがあればせいぜい1時間も待てば十分ではないでしょうか...
わざわざ領事館まで2回出向かなければならない時間と労力と交通費・駐車料金が無駄です。
また料金も、たったこれだけのために900ペソ(約2,000円)というのは少し高いとは思いませんか...?

無駄2:LTOで普通運転免許の切替えと二輪免許を追加が同時に出来ない

意味が分かりませんが、なぜか上記のように2段階の手続きが必要になっています。
日本の免許証に普通運転免許と二輪免許が入っているのだから、それをそのまま現地免許に切替え出来ないのはなぜなのでしょうか?
少なくとも普通運転免許の切替えをした同日に二輪免許も追加出来れば、LTOへ2度来る時間・労力・駐車料金等が省けるのに...

無駄3:来るたびに受けなければならないドラッグテスト

上記が原因で手続きが2回に別れてしまっているため、ドラッグテストも2回...1回400ペソ(約1,000円)の無駄だけでなく、これも待つ時間(1回のドラッグテストに30分~1時間必要)がもったいないのです。

トータルどの位の時間がかかった?

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 では、今回の手続き全てにどのくらいの時間が掛かったのかというと...

領事館にて免許の翻訳証明を取得

いつもすいている領事館内での待ち時間はほとんどありません、まぁ2回の手続きで30分としておきましょう。

普通運転免許を現地免許に切替え

この時は前日夕方にドラッグテストを済ましておきました、これに約30分。
LTOに朝7時に到着し、手続き終了がお昼ですから、約5時間。上記と合わせ5時間半。

二輪免許を追加

これがめちゃくちゃ長かった。
朝7時半にはLTOへ行ったのですが、この時は当日にドラッグテストを受けたため、朝のドラッグテスト会場は混んでいて、1時間かかりました。
そのせいで受付が9時頃になってしまい、多分私の前にかなりの申請者が入ってしまったのでしょう(ドラッグテストを先に済ませないと受付が出来ません)。
そこから待てど暮らせど名前を呼ばれず、呼ばれた時に居ないとまた後回しにされるため食事にも出れず...

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ようやく試験のために呼ばれたのが、なんと14時過ぎ。
試験が15時頃、終わってから、やっと昼食を食べられるかと思いきや、さらに待たされ、グトム ナ グトム(セブアノ語で腹ペコの意)になってしまった。
昼めし抜きで待ち続け、ORがもらえたのは17時15分でした...丸一日潰れました。

ですからこの日はトータルで10時間15分も掛かったのです!

全て合わせますと16時間15分...行き帰りに要する時間を含めずにコレです。

私はセブシティの外れに住んでおり、LTOや領事館まで結構距離があります。
しばしば道が渋滞する中、行き帰りに要する時間も含めますと...
考えるのが嫌になりますのでやめておきますね。

日本の免許センターとの比較

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以前に大阪門真の免許センターで日曜日に更新手続きをしに行った時のこと、その日はセンターの外まで列が続く、何千人という人でごった返していました。
しかし、人数に対して列は結構スムーズに進み、3時間程度で手続きが終了しました。
これは特に混みあう日曜日でしたので、普段はもっとスムーズに出来るはずです。

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対して、フィリピンのLTOは混んでいることは混んでいるのですが、それでもせいぜい常時待っているのは4~500人位かと思います。なのに全然進みません。
免許更新だけという簡単な手続きでしたのでそのまま比較は出来ませんが、処理に問題があるのは明らかではないでしょうか。

免許だけではない、フィリピンの手続き渋滞

LTOがこれほど混んでいるのなら、当然のことながらありとあらゆるところで同じ現象が起こっています。

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ここはPSAと言って、フィリピンの統計局、出生証明書や結婚証明書を取得するために行くところです。
日本ですと市役所でそういった手続きが一通り出来ますが、フィリピンは細かくセクションが分かれており、出生証明書や結婚証明書の発行は出来ますが、登録手続きはまた他のところに行かなければなりません。
ここはフィリピン人にとって、何かの手続きの度に行かなければならなくなる所なのですが...

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ご覧のように中に人が入りきらず、入口の外まで並んでいます。

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この写真の左が入口なのですが、ぐるっと回って後ろのスーパーマーケットの方へ、ずっと、気が遠くなるような列が続いています。
役所関係はどこもこんな感じなので、並びたくなければ朝一番の6時頃から行くのが常識とのこと。
午後から行くともう、カットオフと言って、本日の受付終了しました!となります。

スーパーマーケットはというと...

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やはり混んでいます。原因は、レジの遅さ、大量買いする人が多い事(缶詰同じ種類50個ずつとか)、そしてこの写真でスタッフが片付けていますが、フィリピンのスーパーはレジのところでカートからわざわざ商品を台の上に1個ずつ取りだして並べ、カートはレジの前に放置するのです。
これがレジ前混雑を招いています。

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こちら文房具屋では、写真のもっと左の方まで列が続いています。
レジが2台あるのに、この混雑にも関わらずなぜか1台しか開けていません。
そして、しばしば値札の付いていない商品があり、それに出くわすとレジ係の子は値段を調べに売り場まで、走らずゆっくり歩いて、時には歌ったり踊ったりしながら確認に行きます。
信じられないかも知れませんが、その間長い列のお客さんはずっと待ちぼうけにもかかわらず、誰も文句を言いません!(ブツブツつぶやいたりはしていますけどもね)
たまに僕なんかが我慢できず苦情を言うと、まるでモンスターカスタマーを見るかのような目で見られます(笑)。

ATMはどうでしょうか?

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やはりですね。
お金をなかなか下せないと、買い物も出来ないわけです。

このように、フィリピンでは買い物、手続き、移動など、全てに日本の倍~3倍の時間を奪われてしまいます。

これらがGDPの差となって出る

国の豊かさを表す指標として、ご存知のようにGDP(国内総生産)があります。
2016年の一人当たりの名目GDPを比較するとどうでしょうか?

日本:38,882.64

フィリピン:2,926.60

(単位:US$)

参考:

日本の一人当たりのGDPの推移 - 世界経済のネタ帳

フィリピンの一人当たりのGDPの推移 - 世界経済のネタ帳

 

え、一桁違う…

なんと13倍もの開きがあります。
つまりは一人当たりの経済活動がフィリピンは日本の1/13しかない。

経済学者に言わせると、これには様々な要素が絡んでいるのでしょうが、住んでみて肌で感じるのは、待ち時間のロスが大き過ぎて経済活動が妨げられているということ。

例えば、僕なんかだと店に入ってあまりに行列であれば、その店で買うのをやめます。
でもレジの処理速度が倍に上がれば、倍のお客さんをさばくことが出来て、あきらめて買うのをやめていたお客さんを含めて売り上げが上がる。

お客さんがレジの列に並ぶのに要していた時間が短縮されれば、お客さんももう一軒別の店に寄って買い物をしたり、その時間を他の何か生産性のあることに充てられる。

ATMに並ぶ時間が短くなれば、その分の時間を買い物に費やせる。

道が広くなって渋滞が減れば、店に商品が届くのが早くなり、在庫切れで売るチャンスを逸するという事がなくなる...

などというように、物事の効率が良ければ経済活動が活発になり、国が豊かになります。

しかし、こんな事を考えているフィリピン人に今まで会ったことがありませんし、現状を見ているとあまり変わりそうにもありません、残念ながら。

まぁ、先進国のように効率的になると、今のフィリピンの持つのんびりムード、なんくるなるさな感じはなくなってしまうのでしょうね。
それはそれで残念なので、ここはフィリピンなんだと諦めて、のんびりゆっくり暮らすのが、ストレスを減らす秘訣です、きっと。

免許の手続きの話から、GDPの話へと膨らんでしまいましたが、

  • LTOへ行くなら、朝一からがベスト
  • LTOでの手続きは、少なくとも半日、場合によっては丸一日見ておく
  • セブシティのLTOは混雑が酷いため、マンダウエやラプラプ、タリサイのLTOの方が混雑が少ない可能性がある(未確認)

ということです。

今回は、結構愚痴になってしまいました、すみません。最後までお読みいただきありがとうございました。

車の話をしてきましたので、次回、もうひとつ、フィリピンの道路事情について書く予定です。

お楽しみに。 

www.cebutabi.net

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